不動産広告には、近隣施設までの距離(所要時間)が記載されています。特に最寄り駅(基本的には電車の)までの所要時間は、僕たち不動産会社が広告に掲載する際の必須項目になっています。
『徒歩〇〇分』という記載をしています。皆さんも日頃よく見かける表示だと思います。この徒歩〇〇分というのは、ある一定の距離を1分と計算してはじき出される事になります。
道路距離80m=徒歩1分と換算
【徒歩〇〇分は何を基準に定められているか】
計算方法はシンプルです。道路距離80mを徒歩で1分かかるものとして、端数は切り上げます。この基準は、『不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)』で定められていますので、全国の不動産会社で共通の計算方法だと思っていただいて大丈夫です。
CHINTAIホームページより引用
つまり、下記のような表示になるわけです。
徒歩時間 距 離
1分 = 80m以下
2分 = 160m以下
5分 = 400m以下
10分 = 800m以下
※81mあれば、徒歩2分と表示する事になります。
80mで1分というのは成人の人がちょっと早めに歩くくらいの時間になります。また、上り下りや渋滞、信号などの計算は全くないので実際の所要時間とは乖離が出てくる事は否めません。(表示よりは時間が掛かる場合の方が多いということです)
さて、こちらの時間表示についての不動産広告に関するルールが2022年9月1日に改正されました。これによって、以降は、いろんな物件で時間の表示を変えなければいけなくなってしまいました。80mで1分。という基準は変わっていないのですが、どこからどこまでを計算しますか?という始点と終点の基準が変わったんです。
さて、ここでクイズです。
以下の図に4通りの距離があります。
80mで1分というのはどの距離を表すものでしょうか?
②駅から敷地の入口までの実際に歩く距離
③駅からマンションの建物入口までの実際に歩く距離
④駅から敷地の入口までの直線距離
【ヒント】
道路が入り組んでいるほど、敷地が広ければ広いほど4つのそれぞれの距離には大きな差が生まれてきます。広告表示は、消費者に誤解を招くような広告方法を避けるためにありますので実態と誤差が生じない方法が好ましいという事となります。
【答え】
・
・
・
・
・
答えは
③駅からマンションの建物入口までの実際に歩く距離
が正解となります。
納得ですよね。ですけど、改正前は
②駅から敷地の入口までの実際に歩く距離
こちらで時間の計算をして掲載していました。
分譲マンションや大型のマンション、分譲地などはその敷地の入口からの計算になっていました。表示されている時間と実際との誤差がけっこう出ていたので改正の必要があったんでしょう。距離はとっても大事ですもんね。広告宣伝をする側としては訂正が大変だったのですが・・・。
という事で広告表示に関する解説でした。
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