昨今、様々な物価が上昇しています。収入が上がっていくわけでは無いのに支出だけが一方的に増えていく。一体これからどうなっていくのでしょうか?不安ですね。そんな状況ですから、尚更日常に掛かってくる『電気』、『ガス』、『水道』などの光熱費への関心も高まっています。
『電気』や『ガス』は自由化になりました。地域差はありますがいろんな会社を選べるようになりました。ガスに関しては、こちらでは都市ガスがプロパンよりも安いので、主に『電気』の自由化が進んでいる印象です。そして『水道』に関してはまた事情が違ってきます。
松山市に関しては、公営企業局が、『ジェネッツ』という外資の会社に手続きや支払いに関する業務を委託する形をとっています。全国で数例みられるテストケースで、委託分ほかの地域よりも料金が割高になっています。
水道に関して、だいたいの地域が2か月ごとに企業局や委託業者が各戸の検針を行い、そして請求をしていくわけです。ただし、集合住宅に関しては方法が違います。企業局側が検針を行うのは1~2階までや、マンション全体の水道使用量のみで、建物のお部屋ごとの水道検針はオーナー様や僕たち管理会社が実施してそれぞれ請求をしていく事になっています。
さて、この水道料金ですが「上水道」と「下水道」に分けられます。上水道は、一部の地域では地下水を使用している地域もあります。地下水の場合は、その地域ごとの支払い方法になりますが、ここでは割愛します。
◆下水道について
下水道とは、汚水をすみやかに排除してくれる下水道。下水道が整備されることで汚水が直接街に流れなくなるため、街が清潔に保たれ、ハエ・蚊等の害虫や悪臭の発生も防ぐことができます。下水道管の点検や掃除をする時に、人や機械が出入りするための施設。地上に見えているものはマンホールの蓋にあたる。(公益社団法人日本下水道協会のHPより引用)
下水道に関しては地域によって整備状況が大きく変わります。県の資料によると令和4年3月31日現在、愛媛県では20市町のうち11市6町で公共下水道事業が実施されていて、17の市町で供用されています。ただ、愛媛県下の下水道普及率は56,7%で全国第38位という状況でまだまだ遅れています。そのため下水道ではなく、浄化槽だったり、一部では水洗ではない汲み取りを今も使っている地域が多いのです。
◆県内市町の下水道処理人口普及率(令和3年度末)
愛媛県平均 56,7%
松山市 65,2%
大洲市 20,2%
東温市 70,8%
伊予市 51,9%
松前町 34,0%
砥部町 34,5%
内子町 31,4%
八幡浜市 75,5%
西予市 28,9%
下水道を使用している地域に住んでいる場合、上下水道の使用料に応じて下水道料金が加算されて、上下水道料金として請求される事になります。
下水道が普及していない地域は、主に浄化槽を使用して排水の処理を行っています。下水道とは違うので定期的に汲み取りや浄化槽の維持管理点検が必要になっています。
浄化槽(じょうかそう)とは、水洗式便所と連結して屎尿(糞及び尿)及び雑排水(生活に伴い発生する汚水=生活排水)を処理し、公共下水道以外に放流するための設備又は施設のこと。根拠法は浄化槽法である。(Wikipedia参照)
定期的に点検などを行う事により臭いや衛生面などを問題無いように維持しています。浄化槽が下水道と大きく違う点は、排水の処理方法だけではなく、請求方法にも違いがあります。下水道は上水道と一緒に請求されますが、浄化槽の維持管理費用などは、上水道とは全く別の請求方法になっています。一戸建ての場合は戸別に料金を支払う事になりますが、これが集合住宅(マンションやアパートも)になってくると、その費用が水道料金ではなく、共益費に含まれている場合が多くなります。
引越しをする事で、下水道だった地域から浄化槽に。また、浄化槽だった地域から下水道の地域に変わる事は十分考えられます。引越ししたばかりの方から「水道料金が高くなった!」あるいは「水道料金が安くて驚いた」と質問をいただく事があります。様々な理由は考えられますが、下水道料金が請求されるようになったか、そうでないかによる変化なのかもしれません。お部屋探しの際に、都市ガスかプロパンガスかと同じくらい、下水道かそれ以外かは気にした方が良いかもしれませんね。