お部屋探しの際に気になるポイントはいくつもあると思いますが、その中でも「契約時の初期費用」は大きく影響を与えるポイントになってきます。「出来るなら少しでも出費を抑えたい。」皆さんそう考えるとことでしょう。
気になっていた物件、決めようかと思っていたお部屋が、見積書を見たら予算をオーバーしてしまっていた。なんてことはよく耳にする話です。毎月の費用も重要だけど、最初に掛かる費用ももちろん大事!だけど、この初期費用がけっこう分かりにくかったりする。僕たちも説明が慎重になる場面が、実はこの見積書の説明の時だったりします。
見積書が分かりにくい理由はいくつか考えられます。特に物件によって掛かる費用や、内訳が違ってくるという点が一番の理由ではないかと考えます。
敷金がある物件と無い物件。同じく礼金が必要な物件とそうでない物件。最近では、保証会社との契約を求められる契約がほとんどになりましたがその保証契約に必要な費用も物件によって違います。その他にも鍵の交換費、火災保険の保険料、抗菌施工の有無、24時間の駆け付け対応費用の有無、退去時の清掃代が最初に必要かどうかなど。物件によって見積もりの内容が変わってくるのです。
例えば、3つの検討しているお部屋があるとします。
Aマンション、Bマンション、Cマンションの3部屋。
比較しやすくするため、3部屋とも
家賃は、40,000円
共益費は、3,000円
で同じ条件だとします。
毎月払っていく費用は同じようでも
初期費用は以下のように大きく違う場合があるのです。
◆Aマンション◆
家 賃 40,000円
共益費 3,000円
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敷 金 80,000円
保証料 21,500円
保険料 18,000円
鍵 代 11,000円
仲介料 44,000円
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合 計217,500円
◆Bマンション◆
家 賃 40,000円
共益費 3,000円
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清掃代 44,000円
保証料 21,500円
保険料 18,000円
鍵 代 11,000円
仲介料 44,000円
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合 計181,500円
◆Cマンション◆
家 賃 40,000円
共益費 3,000円
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敷 金 無 し
保証料 21,500円
保険料 18,000円
鍵 代 11,000円
仲介料 44,000円
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合 計137,500円
毎月払っていく費用は同じでも、契約する際に求められる初期費用の見積書を見てみたら、一番高い所と一番安い所では、80,000円も差があります。Aマンションは初期費用が高い部屋。Cマンションは初期費用が安い部屋。Bマンションはその中間。
もしも、この3部屋の設備や状況などに大差ないのであればCマンションが一番条件が良くって即決してしまえば良い!となるのではないでしょうか・・・・・。
3つの部屋の見積もりの中で違っていた項目、それは『敷金』が有るか無いか。それと、『清掃代』(正確には退去時に請求するべき清掃代の前払い。退去時クリーニング費用などと表記されている場合もあります。)が有るか無いか。
Aマンションには『敷金』が80,000円。
Bマンションには『清掃代』が44,000円。
Cマンションには『敷金』なし。清掃代の文字もありません。
実は、初期費用に掛かる費用の前提条件が、3部屋とも違っていたのです。
Aマンションは、『敷金』を預けている事になるので、この金額は『退去する時には戻ってくるお金』という事になります。(ただし、その時に清掃代の支払いが必要になると考えます。契約内容をしっかりと確認する事が大事ですね)
Bマンションは、契約時に清掃代を収める内容になるようです。初期費用がその分上がってはいますが退去時の費用が抑えられると言えます。また、退去時の清掃代が明確になっていて安心出来る。と言い変えられます。
Cマンションは初期費用が抑えられていましたが、退去時に清掃代などが求められる可能性があります。契約時には費用が抑えられるものの退去時にその分、費用が増える可能性があります。事前にこの辺りは担当者に聞いておく必要があります。また、担当者もこういった契約であることを見積書の提出と共に説明しておくべきとも言えます。
賃貸借契約は、契約時も大事ですが、そのお部屋に住む間にどのような費用が必要で、同様に退去時にどのくらいの費用が必要か?どういった契約内容になっているのか?といった点も気にしておかなければなりません。そういう意味でも、見積書を見比べて、そこに書かれている合計金額の多い少ないだけで一概に得しているとか、そうでないとは判断できないのです。
例に出した3つのお部屋。Aマンションを借りて、入居期間中に綺麗に部屋を使用していれば退去時に求められる清掃代は44,000円よりも低かったりするかもしれません。そういう意味では3つの部屋に掛かるそれぞれの費用に大差はなかった。という事になります。
見積書を見比べて価格の確認をするわけですから、一目でこちらの方が高い、安いなど分かった方が当然良いのですが、今回の例の様に、初期費用が安いから『=お得である』とは限らないケースが出てきますので、十分ご注意を頂けたらと思います。