お部屋探しのコツ。言うと生意気に聞こえてしまいますが、日々お部屋探しのサポートをしている中で思う事があります。それは
「お部屋探しは100点満点を目指すべきではない」
という事。元も子も無いことを冒頭から言ってしまいますが、究極を言えばこの言葉に尽きると思います。これはある意味でお客様も分かっている事かもしれません。「目指してはいけない」という言葉を別の言い方にお置き換えれば「100点を目指さない方が結果として自分の理想に近い物件に早く到達できる」となります。
この100点を目指さない。という考え方。特に、転勤が多くてお部屋探しに慣れている方の場合「お部屋の探し方(というより選び方)が上手だな」とこちらが感心するケースに立ち会えます。こういう条件なら物件が多い。あるいは少なくなる。という事を分かっている。そして、そういった方々は、自分が何を重視したいか、何が妥協出来るのかがハッキリしています。これがとても大事。
とは言っても、テストや受験をするわけではありません。明確な「何点」という基準を作る事は出来ません。これはあくまでもイメージの話になります。お客様と話をする際に僕が口にする言葉があります。見てみようかと思っている物件や見学が終わった物件があるとして、その物件たちそれぞれの満足度ってどれくらいだろう?全く悩むこともなく即決出来る物件なら満足度は100点です。でもそうはいきません。頭の中でぼんやりとしています。ぼんやりとはしていますが、そのぼんやりの霧がかった満足度になんとなくのイメージする点数をつけていきます。
「50点以上か以下か」
「70~80点くらいか」
「90点前後」
「95点」
といったように仮の点数を用いる場合があります。
検討している物件が複数あるとして、優先順位を付けたい場合。もっと具体的に話を詰めていくような場合。そもそも申込するかどうかっていう場面でこの満足度の点数の話をします。
満足度が50点前後くらいなら、何か他に加点できる要素が無いと検討物件とは言えないかもしれない。
70点~80点くらいの満足度の物件があれば十分検討してよし。もしも繁忙期(物件の動きが激しい1月~4月上旬)ならば決めてしまった方が良い場合もある。ここまでくればその物件が決まったら困るかどうかを聞きます。誰かで決まったとしても全然かまわないなら満足度は少し下げて60点~70点くらいだろう。いや、他の誰かで決まったら困る!と思ったあなた!!それは90点以上ですよ。
90点前後の満足度があればそれはもう決めてほしい。特に繁忙期なら90点はもう100点以上です。(笑)ただ、引越しを急いでいない方であればこの辺りの満足度の物件が一番悩ましく思われるだろう。でも実は相当に高い満足度なんです。
95点で悩んでいる方には「もう決めましょう」と背中を軽く押すようなイメージ。それ以上に満足できる物件がまだあるかも!って深追いするのは危険です。その物件が万が一決まっちゃったら、もう90点を超すような物件すら見つからなくなりますよ。と思います。
ちょっと分かりずらいたとえ話でしたね。
あくまで物件に点数を付けるのではなく、自分の中の満足度を数値化して見える化してみるという事。落ち着いて整理することで、絡まった糸が少しずつ解れていくように自分の中で検討すべき物件が分かったり、条件の見直しの必要性に気づいたり、あるいはもう決めなきゃ!って思うかもしれませんね。
お部屋探しでワクワクしている方に「妥協してください」というのは切り出しにくい言葉なのですが、実際の話として、「お部屋探しは希望の条件を考える事からスタートして、どの条件を妥協していくのかを考えていく事でゴールへと近づいていきます」
妥協しすぎる事は良い事ではありませんが、条件に優劣をつけて理想とするお部屋の条件の80点~90点くらいを目指す。このくらいの力の入れようが理想的です。そうやって物件が決まり、それから家具家電やインテリアなどで100点に近づくよう後から加点する事だって出来るんですから。そして皆さんご存じの良い言葉がありますね。「住めば都」。
さぁ、肩の力を少しだけ抜いてお部屋探しをしてみましょう。