春は引越しの季節です。部屋探しと入居と退去が同じ時期に集中しますから毎年「繁忙期」と呼ばれる期間となります。その時期が過ぎ去れば、今度は一変して1年で1番人が動かない時期に突入します。人が動かないので物件情報もあまり動きを見せません。じっくりと腰を据えて行動出来るため、実は、1年の中でお部屋探しに1番向いている時期なのではないか?といった説もあります。
そんな春。入居がこの時期に多いとなれば、必然的に『契約の更新』もこの時期が多くなってきます。賃貸借契約には必ず『契約期間』が設けられます。これは契約当初からの当面の期間を表し、更新の時期が来れば、また同じ条件で契約の期間を更新しましょうというものです。
賃貸借契約の更新は大きく2つの種類に分けられます。それは手続きが発生するか発生しないか?という違いがありますが、細かい話をすると、実は次の3つの種類があるんです。
●手続きを伴う更新
●自動更新(手続きは無い)
●法定更新(なにもしない)
手続きを伴う更新とは、更新手続きの書類を準備していただいて、入居状況の再確認を行う内容です。連絡先や家族構成、職場などの状況。また連帯保証人や緊急連絡先の再確認を行います。契約の更新日が近づけばだいたい1~3か月前くらいに関係する書類が送られてきます。更新の際に手数料が発生する場合がほとんどです。これは契約更新の事務手数料と呼ばれ、更新料とは性格が違います。(更新料は貸主さんに収めるもの。更新事務手数料は私達管理会社が更新に関する業務の報酬として受領させていただくものです)
次に自動更新ですが、この自動更新と法定更新はほとんど同じと言っても過言ではありません。内容として言葉にするとしたら、自動更新は「同じ内容で更新するという事で良いですよね」と意思確認があって自動的に更新する事。法定更新は「何もしない」という事。
更新の時期が来ても「退去しますよ」という意思を示されなければ、そのまま住み続けるんだろうと予想出来ますから「連絡がないという事で意思確認が出来ている」となるのが自動更新です。「何もしない」との違いが微妙なのですが、今の所3種類あるんだというのが業界の解釈です。手続きを伴う更新以外はあまり違いを気にする事はないでしょう。
お部屋探しをする方の中で、今住んでいるお部屋の契約更新時期を気にされる方がいらっしゃいます。お部屋探しをするという事は、今のお部屋の解約もいずれ関わってくる話なので、契約内容を把握している事はとても良い事です。ただ中には、更新のタイミングでないと解約できない。あるいは、余計な違約金が掛かってしまうのではないか?とお考えの方がいらっしゃいます。
スマホやiPhoneだったり、ネットの契約などは解約時期の縛りがあって、その時期を逃すと違約金が発生するといった契約内容があります。お部屋もそれと同じような契約になっていると勘違いしている事があるようです。
賃貸借契約はそれぞれに違いますから、全てがこうなっています。とは説明できませんが、まず借主さんから見て、賃貸借契約の解約は自由です。時期も理由も基本的には問いません。解約の予告は1か月前に書面で通知してください。という内容が主です。違約金があるとすれば、当初の契約期間に対して入居している時期が短かった場合は(1年以内や2年以内など)短期解約違約金が掛かる場合がほとんどです。中には、この短期解約違約金と契約更新時期を混同して理解している方がいらっしゃるのかもしれません。お手元の契約書を確認していただき、契約期間や解約についての項目、特約(とくやく)の項目などを見ておくことをおすすめします。
お部屋探しをしていると担当する営業マンから「いつ頃の入居をお考えですか?」と聞かれます。今のお住まいが賃貸物件だ!という方の場合、今の契約内容や更新時期、違約金があるのかないのか?などを予め把握しておく方がスムーズな部屋探しが出来るかと思います。