昨年の今頃でしたっけ、NHKでドラマ「正直不動産」が放映されていました。ビッグコミックで大人気連載中の大好きな漫画で、ドラマももう食い入るように見ていました。いままでに無かったのではないだろうか?不動産会社が舞台で、主人公で、悪役じゃないドラマって。(笑)
なんだか、不動産会社って悪役にされる印象が強くて、だいたい正義の誰かに成敗されて、めでたしめでたしで終わるパターンが多いような。本当は大変なことばかり、目立たないところでいろいろ影となり頑張ってるのにな。
そんな僕たちの日常を、けっこうリアルに描いてくれたドラマ。見ていてもおもわず応援したくなるような演出も多くって楽しかったな。またやってほしいな。(続編か特別編ってあるんだっけ?)
そんな「正直不動産」いろんな名言がありました。特に「いい部屋の定義!」の話の時は、途中気になった場面を何度巻き戻して観たことか?お部屋探しのお客様にも観てほしいな、って思う場面が結構あったのでね。
その言葉の一部が
「きれいな新しいところに住むから幸せなんじゃくて、幸せを感じられるところが良い部屋なんだ」
という言葉です。
あれは、福原遥さん演じる月下咲良(さくら)さんが、昔を回顧する場面でした。母親と二人暮らしでお金も無いから古い部屋でも仕方ないね。って親子で話しているときに、不動産の営業の方が「でも、この窓から見える桜がとても綺麗でこれはこの部屋でないと見れないんです」といったセリフを、まるで”ドラマ”のように良いタイミングで言うんです。そういう事が言える営業の方も素晴らしく感動した場面でした。(ま、景観はずっと保証出来るものではないとも言えるんですけどね)
不動産の営業の中には、決まりやすい新しい部屋は良い部屋。古い部屋はそうではない部屋。という新築、築浅が好きな人がいたります。ま、分からなくはないです。
洋室が多いのは良い部屋。畳があるのは古い良いとは言えない部屋。言い出したら切りがありませんね。ま、でもそういう人も「正直不動産」観てよ!って思います。
ドラマの中で、主人公の山下智久さん演じる永瀬財地さんはタワーマンションから古いアパートに引っ越す事になります。ドラマの中でも事あるごとに「いつかタワマンに!いつかタワマンに!」と気持ちを切りかえようという場面が出てきます。
だけど後半、良い感じの関係になっていた泉里香さん演じる榎本美波に「今まではすぐにでもあっちに戻りたいと思ってたんですけど、最近ここも悪くないかなって。風呂もないし、電気もチカチカするし、タワマンよりも眺めは最悪ですけど、なんかここだと『生活している』って感じがするんですよね」と語るわけです。
それを聞いた榎本さんも「たしかに、ここって商店街が近いしお風呂屋さんもすぐそこだし環境は最高ですもんね。」と返して「ますますあなたが気に入りました。私と結婚を前提にお付き合いください!」と告白するわけです。もう~、良いやりとりだったな~、展開がまるでドラマ観てるみたいだったな~。(笑)
きっと『幸せな部屋』って最初から分かったりなんかしない。生活していく中でやがて思う事だろうし、少しずつ気付いていく事だろうし、そう思えるようにしていく事なんだろうって思う。
月下咲良さん、永瀬財地さんに共通して言えることは、今自分の置かれている状況からあまり背伸びをし過ぎずにお部屋を決めて生活している事です。賃貸物件の場合、一度そこに住む事になれば、当然ですが住み続ける限りは、場所も、間取も、家賃も変えられません。ですが、室内のカーテンや家具などで雰囲気だったり、考え方は変えられます。
このブログで言いたい事としては、築年数や設備ばかりにとらわれ過ぎず、自分の考える予算も重視してほしいという事。金銭的に少しでも余裕のある生活を送るという考え方もあります。「住めば都」とはよく言ったものです。家賃を抑えた分、別に使えるお金があるんだとしたら、それも幸せの一つの形。
お部屋探しの際には、予算の考え方はとても大事。100点からスタートせずとも、70点くらいから少しずつ点数を上げていけばよい。くらい肩の力を抜いてお部屋探ししてみませんか?
『生活しているって感じがする』・・・僕はじ~んとくる言葉でした。それも小さな小さな形を変えた幸せなのかもしれないってね。